同志社香里高校 軽音楽部顧問 髙瀬恭三先生 インタビュー

インタビュー01 同志社香里高校 軽音楽部顧問 髙瀬恭三先生

第31回大会では、準決勝へ進出。第32回大会は準決勝でグランプリ大会出場権を獲得。昨年の第33回大会では、予選会で優秀賞を受賞、グランプリ大会へ進出し、見事に「準グランプリ校賞」と「ベストサポーター校賞」を受賞。年々成長を遂げ、それに伴う結果を見せている同志社香里高校 軽音楽部顧問の髙瀬恭三先生に「スニーカーエイジに対する思い」「第34回大会に懸ける意気込み」をお伺いしました。

同志社香里高校 軽音楽部顧問 髙瀬恭三先生

「応援」という要素を評価に加えるなど、クラブ活動全体で取り組めるというシステムが非常に興味深かったので、これは学校のクラブとして参加するのにふさわしいと考え、出場することを決めました。

昔の軽音楽部は、今のように本気で活動に取り組んでいるクラブではありませんでした。そもそも「軽音楽」というジャンルが周りの先生に受け入れられておらず、練習環境も決して良いわけではなかったのですが、参加するきっかけになったのは、数年前にスニーカーエイジの存在を知った生徒たちから、直接「この大会を目指してがんばっていきたい!」と言われたことです。

ただ、元々は軽音楽を楽しんでいるだけのクラブからスタートしたということもあり、最初は大会に出て演奏することだけが目標になっていました。しかし、年々がんばっている先輩の背中を後輩が見て、ちょっとずつ真剣に取組んでいく流れが生まれたのを覚えています。

スニーカーエイジは他の大会と少し違う、というのが最初の印象でした。他の大会は、バンドの子達だけががんばって、自分たちの個性をステージでぶつけていくものが多いのに対し、スニーカーエイジは「応援」という要素を加えてクラブ活動全体で取り組めるというシステムが非常に興味深かった。既に出場している他の学校の様子を実際に見て、この大会は学校のクラブとして参加するのにふさわしいと実感し、出場を決めました。

本気で取り組めば取り組むほど、上までの到達点が遠いことを思い知らされ、そこからクラブ全体の意識が一気に高まっていきました。

同志社香里高校 軽音楽部顧問 髙瀬恭三先生

最初「応援」が採点基準に入っていることの意味合いが生徒達は理解しにくかったようです。日々、練習を重ねながら、実際にスニーカーの現場で他校の応援の様子を見ているうちに、だんだんと体感したようです。スニーカーエイジに、「本気で取り組めば取り組むほど、上までの到達点が遠いということ」を思い知らされ、そこからは一気に意識が高まり、『やるからには負けたくない!』という思いがクラブ全体に芽生えました。

特に意識の高い子達の影響もあり、クラブ全体でスニーカーエイジという大会に本気で取り組む姿勢が生まれてきたのです。

スニーカーエイジと出会うことで、ただ軽音楽をやっているクラブから、スニーカーエイジを最大目標として活動する体系的なクラブになりました。目標を設定する際、『上にたどり着くにはどうしたらいいのか?』を、生徒なりに逆算して考えるようにもなりました。

頭で思い描いている最終目標と、現在の生徒の実力を照らし合わせ、「今」生徒にはどういう要素が必要で、クリアする課題は何かを見つけ出し、一歩ずつステップアップする道筋を考えるのが私の役目です。

スニーカーエイジという目標ができたことで「今何を乗り越えるべきか」をクラブ全体で考える機会ができたのは、本当に素晴らしいことだと実感しています。

先輩から後輩へ伝えていくスニーカーエイジへの想い

同志社香里高校 軽音楽部顧問 髙瀬恭三先生

本校の軽音楽部へ入部してきた1年生は、まず基本的な技術を習得し、楽器を演奏することに慣れてくると、次のステップとして『曲が持っている雰囲気を表現する』というステップへ進みます。「それを表現するにはどうしたらいいか?」ということを、生徒たちに考えさせる機会をできるだけ多く作るように心がけています。

上級生が自分たちの経験を元に、近いところで下級生に教えていくという機会を増やすために、本校では、学年関係なくばらばらでミックスして、バンドを組み、スニーカーエイジに向けての考え方や本質を自然に共有できる体制を育んでいます。

スニーカーエイジを通して伝えたいこと。

同志社香里高校 軽音楽部

「優勝しよう!」とか「頂点目指そう!」とか、聞こえの良いことを言うのは簡単ですが、本気で取り組めば取り組むほど、その遠さが分かっていくので、どうすればライバルとの距離を詰めていけるのかを考えて取り組まないと、結局は自己満足で終わってしまいます。 自分達だけが成長しているわけではないので、相手よりも前に進むためには、当然相手以上に努力も必要ですし、自分達自身と厳しく向き合わなければならないと考えています。

ただ、やはりクラブ活動なので、スニーカーエイジを目指す中にあっても、普段は和気藹藹とした関係を築きながら、お互いに意見交換しやすいような気さくな関係でいてほしいと思っています。

同志社香里高校 軽音楽部 受賞のようす

第34回大会への意気込み。

本校は毎年ひとつずつ着実にステップアップしているので、やはり今年はグランプリ校賞をとることが最大の目標ですね。「優勝しよう!」というと、単純に聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。

私が生徒に伝えたいのは、本校の軽音楽部が初めてスニーカーに参加してから結果を残せるようになった現在までの流れと、先輩から後輩へ受け継がれているスニーカーエイジへの想いがリンクしているということ。

今まで長い時間積み上げてきたものを形にするという意味を込めて、今年の目標は「グランプリ校賞」受賞であると。
険しい道だと思っていますが、生徒たちも強い決意で臨んでいるので、自らの力でそれを形にしてほしいと思っています。

昨年のグランプリ大会が終わったあと、生徒のほとんどは泣いていました。傍からみると「準グランプリ校賞を取れた嬉し涙」に見えたと思いますが、あれは「賞をとれてよかった」という気持ちと「グランプリ校賞を本気で取りに行ったのにとれなかった悔しい気持ち」両方の涙です。その涙の意味を知ったとき、非常にこの子達は見所があるな、ただでは終わらないなと思ったので、去年の悔しさを今年は「グランプリ校賞」という形で晴らしてほしいと思います。


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